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スターバックスに人生を救われた男の話(その2)

   

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マイケルはお店を熱心に清掃し、特にトイレをピカピカにします。それはクリスタルが感心するほどのレベルで、マイケルは早くも「清掃のスーパーバイザー」に昇進(?)します。

どうでもいいようなことでいて、でもマイケルにとっては広告代理店での昇進以上に大切なことでした。社会に居場所がないと感じていた彼にとって、自分の居場所だと感じることができたからです。

こわごわレジに立って、レジ打ちに不慣れなマイケルを、お客さんがやさしく助けてくれたり、同僚がサポートしてくれます。

マイケルは徐々に仕事に慣れ、お客さんにとってスターバックスはただのコーヒーショップじゃなく、彼らの生活の一部なんだと気づきます。

お気に入りの一杯がないと1日が始まらないというお客さんがいる。仕事帰りに立ち寄って、疲れをいやすお客さんがいる。なにげない会話を通してお客さんと心を通わせ、よい気分になってもらうことも大事な仕事。なんてすばらしい仕事なんだろう、とマイケルは心を動かされます。

彼がいた広告の世界というのは、結局のところ勝つか負けるかです。コンペに勝てばヒーローになれますが、負ければクソ野郎という世界で、中間はありません。

でも、スターバックスではパートナーとお客さんの双方に敬意と尊厳が存在します。マイケルはこれまでの人生で感じたことのない充実感を感じます。

もちろんいいことばかりじゃありません。

深夜のクローズの仕事では、大量のゴミを抱えてゴミ出しに行かねばなりません。64歳のマイケルにとっては重労働です。

閉店後も居座る若い客にナイフを突きつけられたことも。

そして彼は大事なことに気づきます。

それまでの自分は権力に物を言わせ他人を支配してきた。

でも、敬意と尊厳に基づくパートナーシップの方が人間にとって大事なことなんだ。

彼は自尊心を手放し、精神的な豊かさを得たのです。

ホワイトカラーの上流階層からドロップし、途方に暮れた第一幕。

スターバックスでの仕事にありつき、その仕事を通じて敬意と尊厳という価値観に触れた第二幕。

そして、物語は第三幕に続きます。

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