F1の本質:人間同士の競争
Photo:http://orange.zero.jp/snufkin.bird/autostrategy.htm
はっきり言って、最近のF1はつまらないと思います。
なぜか?
シンプルじゃないからです。
レギュレーションが複雑すぎて、ファンじゃない普通の人が見たら、何が何だかよくわからないと思います。
エネルギー回生システムやDRSなどのテクノロジーも、なんだかトリッキーです。一年間に使えるエンジンに限りがあって、エンジン開発自体も厳格に制限されているのもおかしい。
開発が制限されているんだから、後発参入組のホンダが苦戦するのは当たり前です。それを、1990年代の活躍と比べて批判するなんて愚の骨頂ですよ。
もっとわかりやすくて、楽しいF1が見たいんですよね。
自動車レースの本質は、自動車という道具を使いながら、人間同士が競い合うことです。
世界中の人間の中で、わずか30人以下の運転の天才たちが、「オレが一番速い」という誇りをかけて、人生をかけて戦うのがF1なんです。
1980年代後期、F1に四天王と呼ばれるドライバーたちがいました。
・ネルソン・ピケ
・アラン・プロスト
・ナイジェル・マンセル
・アイルトン・セナ
滑らかなドライビングが身上で、豪華ヨットに暮らす女性好きの自由人、ピケ。
ピケと同様スムーズなドライビング技術を持ち、レースを論理的に捉えて非常に知的なレースを見せたプロスト。
荒削りかつ豪快な速さを発揮し、意外に精神的にもろいところも魅力なマンセル。
自分の精神的、技術的な限界を高め、神への信仰を深めた天才中の天才、セナ。
セナとピケとは同じブラジル人なのに、犬猿の仲だったし、セナとプロストは1988年から1993年までの5年間、最高のライバル同士でした。
個性豊かなドライバーたちが、それぞれの強みを最大限に発揮して1年間を闘い続ける姿が、ファンを感動させたんですよね。
20世紀、自動車が発明されてすぐに自動車レースが行われました。
クルマが2台あれば、人はレースをするんですよ。
人間同士が競い合う面白さを、もう一度F1に見せて欲しいと思います。