商売人のすごみ

鎌倉の小町通りに、小さなラーメン屋があります。
カウンターだけの小さな店。
奥の席のお客さんは出入りするときに、
「すいませんすいません」
と他のお客さんに声を掛けながら出なくちゃいけない。
ラーメンは醤油か味噌しかない。
お昼などの混雑時は子ども連れは遠慮しなければいけない。
でも、もう40年以上味も店もまったく変わらないんです。飄々としてやせたご主人が、熟練の技でラーメンを作ってくれます。濃い色の木のカウンターには、長年使い込まれた独特な渋さがあります。
この店の、
「正油大、味濃いめ」というオーダーがいつものお気に入りで、自分ながらあきれるんですが、大学生のとき2週間毎日食べ続けたこともあります(笑)
同じ味をきちっと提供し続ける。
むやみに店を広げたりせず、身の丈を守って熟練の手技をみせる。
商売人のすごみみたいなものを感じるんですよね。いつまでもお元気で。
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