One Simple Fact

アップルと自己啓発本とクルマのことなど。

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【スピードと恋愛の道具】クルマからスマートフォンへ

   

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こういうことをあまり誰も言わないんですが、クルマに対する関心が低下したのは、ネットの発達であり、スマートフォンの普及がとどめを刺したんだと思います。

20世紀は「スピードの世紀」と言われました。機械化とスピードの美を賛美する「未来派運動」も起こりました。それは、機械化された工場や鉄道、飛行機と、なんといっても自動車が対象です。

人を乗せて、どこにでも今まで以上の速度で移動できる。このスピードと自由が大衆の心をつかみました。高嶺の花だった自動車は、大量生産によって価格が下がり、手が届くようになっていきます。モーターショーには人が詰めかけ、新型車の発表はみんながワクワクするイベントでした。

また、クルマは非常にパーソナルな空間であり、異性と二人きりになれる場所でもありました。男性はがんばってクルマを買い、デートの前には念入りに洗車して、当日に臨んだのです。それだけでなく、友だち何人かを乗せてキャンプに行ったり海に行ったりすることもできました。

2007年、iPhone発表。

手のひらに載ったインターネットとさまざまなアプリは、クルマのスピードと必然性をことごとく上回っていきます。FaceTimeやLineの動画を使えば、相手の顔を見ながら即時に会話ができます。クルマをどう飛ばしたって通信の速度にはかないっこありません。グループでのチャットも簡単。対面するよりずっと手軽です。誰かとつながること、コミュニケーションの性質が変わったことで、クルマはもう絶対不可欠なものではなくなりました。

そして、現在自動運転のテクノロジーがものすごいスピードで進んでいます。技術的にはもうかなりのところまで来ていて、あとのバリアは法整備くらいなものでしょうね。これは、自動車がインフラ化することを意味しています。従来型の自動車メーカーにとっては、自殺行為です。だって、自動運転が当たり前になったら、クルマは趣味性より居住性とコストで選ばれるようになるからです。ミニバンやハイブリッド車が、スポーツカーを隅に追いやったように。

自動運転車をめぐる論説では、インフラと趣味性の二極化するという意見がありますが、僕はその意見に同意しますね。

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