「ためいきのフェラーリ」
2015/11/05
1991年1月の自動車誌”NAVI”のタイトルです。これほどそそられるタイトルもちょっとないです。この特集だけで、いくつも原稿が書けます。それほどに好きな特集でした。
その中に、歴代フェラーリのほぼすべてをデザインしてきたセルジオ・ピニンファリーナ(2012年没)のインタビュー記事が載っています。
この中で彼は、10ベストフェラーリを選んでいきます。ちなみに、どんな10台が選ばれたというと、
250GTルッソ
デイトナ
ディーノ(写真は206SP)
365BB”ベルリネッタボクサー”
308GTB
テスタロッサ
348
F40
412
ミトス
という10台です。
ピニンファリーナは、このインタビューの中でこう言っています。
「エンツォ・フェラーリと仕事をすることは容易だったか?」「答えはもちろんノーです。エンツォ・フェラーリは非常に難しい人でした」
「車作りにおいて、彼のコンセプトはひとつ。”軽いフェラーリ”」
「私はこのコンセプトを、ハンマーで頭に打ち込むかのように、叩き込まれたのです」
「もし、他のカロッツェリアとピニンファリーナに違いがあるとすれば、われわれは家族とデザイナーが混ざり合いながら、互いに協力してやってきたことだと思うのです」
「小さい集団であるからこそ、驚くべき力を発揮することができる」
どうですか?ジョナサン・アイブとスティーブ・ジョブズの関係に似ていると思いませんか?
カリスマと天才的なデザイナーの、馴れ合いではない協力関係。素晴らしい作品が生まれるバックボーンを見る思いがします。