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【心構えのお手本】僕たちはみな、商人である。

   

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hitorisan

「商人道」

尾形幸弘著。PHP刊。

漢方薬を販売する、銀座まるかん総帥の斎藤一人さんと、北海道で居酒屋を始めとする事業を営む尾形さん(おがちゃん)の対話で構成された本です。斎藤一人さんが説く心構えが好きで、何冊も本を読みましたが、僕はこの本が一番好きです。

場末の激安物件で居酒屋を開業したのはいいものの、まったくといっていいほどお客さんが入らずに苦戦していたおがちゃん。ふと書店で手に取った斎藤一人さんの本を読んで、「一人さんは笑顔が大事って言ってる。よし、とにかく24時間笑顔でいよう!」と決めて、おがちゃんはとにかく笑顔でいつづけます。すると、いつのまにか従業員も笑顔が増え、お客さんもその笑顔に喜び、お店はあれよあれよという間に繁盛店に変わっていきます。

おがちゃんは笑顔の効果に驚きますが、さらに驚きが待っていました。それは、一人さんの愛弟子の柴村恵美子さんとの出会い。そして、恵美子さんと待ち合わせた新小岩の居酒屋にやってきたのは、なんと一人さんその人だったのです。驚くおがちゃんに一人さんはあくまでも自然体。商売について教わりたいと弟子志願するおがちゃんに、一人さんは一度は、「場末の店を繁盛させる腕を持っているんだから、教えることなんて何もないよ」と断ります。

それでも食い下がるおがちゃんに、一人さんも折れます。そして、「本気でやったら商売ほどおもしろいもんないぞ」と言います。さらに、「お金はキレイに稼いで、キレイに使うもんだ。お金を汚いと思ったりお金儲けを恥ずかしいと思ったりしたらダメだ」と言います。

ここから、一人さんとおがちゃんの商売に関する対話が始まります。

一人さんの別の本で、こんなくだりがあります。人間はみな、何かを売って生きている。サラリーマンなら事務能力を売っているし、主婦なら家事の能力を売っている。警察官は町の安全を売っている。商売していない人なんかいないんだ、と。僕はこの言葉を聞いてひじょうに共感しました。そして、ラーメン屋がラーメンがうまいのは当たり前、そんな努力はみんなやってる。大事なのは、人間としての魅力なんだよ、と。

人はみな、誰かと関わって生きている。そしてみな、何かしらの能力を売って生きている。大事なのは能力以前に人間としての魅力なんだ、という心構えは、とても新鮮でした。学校を出て社会に出、仕事の能力を磨き、ようやくいっぱしの仕事人になれたかな?なんて思う気持ちに、スッと入ってきた感じがしました。

おがちゃんへのレクチャーは、一人さんが運転するワンボックス車の中や、小さな喫茶店などでふいに始まります。アドバイスのほとんどは、商売に対する心構えです。商売はおもしろい、お客さんを楽しませて、楽しませたほどお金がいただける。すべては考えよう、心の持ちようで、気持ちは豊かにも貧しくもなる。自分が楽しい、ワクワクするようなことを考え続けろ。おがちゃんは素直に教えを受け取ります。

でも、すべてがうまくいくとは限りません。

お店が繁盛し、順風満帆なとき、おがちゃんは魔がさしたのか、新しいお店にそれまでより多くの資金をかけて自信満々で臨みます。でも、かさんだ経費と人件費で経営は一気に苦しくなってしまいます。

行き詰まったおがちゃんは、一人さんに失敗を告白します。するとひとりさんはおがちゃんに、「いい勉強したな」とやさしく声をかけます。間違えたら、そこから学べばいいんだと。

おがちゃんは奮起して、プロに徹して頑張ります。経費を削り、「あいさつ」「返事」「笑顔」という商売の原点に磨きをかけます。必死の努力のかいあって、ふたたび商売は軌道に乗り出しました。

人間はみんな商人なんだ。本気でやれば、商売ほどおもしろいもんはない。商人はつべこべいわずにお客さんを喜ばせ、お金を儲け続けなきゃなんない。そして、ものごとは全部考えようなんだ。

自己啓発本にもいろいろな種類があります。心理学や脳科学に基づいた理論的なものもたくさんありますし、それはそれで好きなんですが、あたたかみがあって、非常に真実な一人さんの教えは、大好きです。

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