【人間の能力=脳力】人生を豊かに生きるために
苫米地英人著。枻出版社刊。
著者は認知科学者で、カーネギーメロン大学の博士号を持つ人ですが、自己啓発の世界ではかなり名の知れた人です。専門が脳科学なので、当然著作は、脳に関するものが中心となっています。この本は、雑誌(Magazine)と書籍(Book)の中間のようなMook本形式をとっていてとても読みやすい本です。慣れた人なら30分もあればだいたい読めてしまうと思います。
今回は、脳の特性を理解して、その本来の力を発揮させるにはどうしたらいいか、ということがポイントです。
本の構成としては、
1.生活改善
2.仕事
3.マインド
4.コミュニケーション
の4章から構成されており、全部で55のメソッドがあります。
脳のブレーキを外し、パワーを引き出すという心構えと、具体的なノウハウの両方が紹介されているので、実行しやすい内容になっています。
各章の主なポイントですが、
1.生活改善
・睡眠や飲酒習慣、入浴、水分の摂取方法など、生活習慣について。
・リラックスした状態でドーパミンを放出させ、良いアイデアが浮かぶように誘導する。
・マルチタスクと直感を用いた訓練。
2.仕事
・漫然と働くのをやめ、ゴールを設定して行動を起こすことの重要性。
・頭の中でイメージを描き、自分のゴールを徹底的にリアルに描く。
・他人の価値観に縛られてきたことに気づき、既成の観念を打破すること。
・やりたいことをはっきりさせて、自分のモチベーションを上げる。
・仕事に着手する前に、仕事の全体像をイメージすることのメリット。
3.マインド
・よい未来、あるべき未来を思い浮かべ、そこから現在までの行動を逆算して考える。
・自分の中の恐怖心や、抵抗感を克服することの大事さ。
・現状の延長線上にあるゴールではなく、思い切り外側のゴールを求めよ。
4.コミュニケーション
・相手との信頼関係、ラポールの築き方。
・リラックスして、自分の臨場感空間を作り上げ、そこに他人を引き込め。
・ポジティブな自己対話によって、自己イメージを高めよ。
などとなっています。
この本で僕が感じる著者のメッセージは、
1.これまで周りから受けてきた価値観の洗脳を取り払い、自分が本当に望むゴールを考えよ。
2.他人と比較するのをやめ、自分の中の恐怖心を克服せよ。
3.ゴールをリアルにイメージすればするほど、脳はそのゴールの実現に動き出す。
という3点です。人間の行動が、全て一つの脳によって指令されていることを考えれば、最大のパフォーマンスを発揮させることは、とても重要なことだと思いますね。