One Simple Fact

アップルと自己啓発本とクルマのことなど。

*

【ジョブズの思考】その原点について

      2015/12/15

Pocket

zen

鈴木俊隆著。サンガ刊。

鈴木俊隆という人:

鈴木俊隆という人は、曹洞宗の僧侶です。神奈川で生まれ、1959年(ジョブズ4才)にアメリカに渡り、サンフランシスコにある寺の住職になります。1967年、カリフォルニアに禅センターを設立して、禅を教えます。

アメリカではふたりの鈴木師がいると言われますが、先の鈴木大拙師が学究的だとすると、この鈴木俊隆師は、より実務的な指導者だと言われます。アメリカでの活動は、わずか12年でしたが、禅を学ぶ人たちに巨大な影響を与えています。

ジョブズの愛読書:

スティーブ・ジョブズは、この鈴木俊隆師の本を生涯の愛読書として何度も読み返していたそうです。少年時代、キリスト教に限界を感じたジョブズは、その後青年時代にインドに渡り東洋の精神世界に傾倒します。彼の精神的な拠りどころとなった、禅の教えを簡潔に説いた本がこの本です。

妻ローリンの言う「魔法のような考え方」で世界を変えたジョブズが学んだ考え方について紹介します。考え方が行動に影響を与え、その行動が彼の人生を作り上げたことがうかがえます。

鈴木師の教え(抜粋)

・初心を持ち続けよ

初心を持ち続けることには、無限の可能性がある。禅でもなんでも、わかったつもりになってはいけない。

・呼吸の大切さ

息を吸って、吐く。私たちは呼吸を通して、外の世界と中の世界を行き来する回転扉のようなもの。ただ呼吸に集中せよ。

・コントロール

万物は常に変化し、そして調和している。何かをコントロールしようとしてはいけない。ものごとを、ありのまま見守ること。もし異常な状況で集中するのが難しければ、呼吸に集中すること。

・心

心の本質は、透明で混じり気のない水のようなもの。どこから来たものでもなければ、どこへ行くものでもない。その波には、死や老いへの恐れ、病気の苦しみもない。

・禅の真髄

間違えても間違えても、ひたむきに続けること。修行を続けていくうちに、あなたは真の強さを発揮する。

・ただ修行を続けよ

自分の人生が短いと知ること。一日一日、一瞬一瞬を楽しむこと。一年の人生はすばらしい。百年の人生もすばらしい。

・自己中心的であることからの脱却

自分を明け渡しなさい。大いなる心の中では一切が平等。自己中心的な心を取り除き、自分を向上させようとする修行に終わりはない。真剣に、一瞬一瞬にベストを尽くせ。

・本性を取り戻す

毎日の坐禅をとおして、自分の本性を取り戻す。それは特別なことではなく、あなたがあなたであること。何かを手放したときこそなにかをしている。もっとも大事なことは自分の本性を、もっともシンプルで適切に表すこと。

・終わりのない修行

私たちがなにかをすることはすべて修行で、自分の本性を表現すること。そして、終わりのない線路を走ることが私たちの修行である。

・苦行について

かつての仏教では、精神が肉体に縛られると考えて、苦行によって肉体の要素を弱めようとした。しかし、このやり方はよい結果は生まない。人間の成り立ちを考えすぎるのではなく、どうしたら人格を向上させられるかにブッダの関心はあった。

・心の落ち着き、平安について

あまりに忙しく、あまりに興奮していると、心が荒れてくる。あまり多くの荷物を積まないように!

・余計なものを取り除くこと

なにかを達成するために、特別な努力をおこなうと、そこには余計な要素が加わってしまう。

純粋とは、なにかを磨くことではない。ありのまま、そのままという意味である。

・人間の活動

多くの鳥を捕らえようとするために、一つの活動に集中することができなくなり、結局一羽の鳥も捕らえられないで終わる。

なにかをおこなうときは、心と体の全部でおこない、完全に集中し、完全に燃やし尽くすこと。余分なものを残してはいけない。

・彼岸への到達

なにかを作り出すこと、人間の活動に参加すること、人々に渡し舟を与えること、人々に向こう岸へ渡るための橋を架けてあげること。

・よくない修行の仕方

坐禅において理想の達成に心を向けないこと。理想を達成しようと思えば、つぎつぎと理想を追い求め、理想の達成は未来のことなので、今の自分を犠牲にしてしまう。坐禅を誰かとの競争にしてはいけない。

・道

坐禅には、目的や目標はないが道がある。他の宗教とちがって、神に向かい自分から遠く離れるのではなく、自分たちに鋭く方向を向ける。

・修行の目的

師が必要なのは、自分だけでは自分を学ぶことができないからである。

禅の修行の目的は、自己を学ぶことにある。そして、自己を学ぶことは自己を忘れることである。

すべてをあるがままに見、そして周囲と一つになること。これが坐禅である。

いかがでしたか?こうやって抜き出しただけでも、ジョブズの人生観や仕事観に大きな影響を与えたことがわかると思います。シンプルさの追求、同時に多くのことに手を出さない、人間の命は短く、一瞬一瞬を大切に集中して生きる。有名なスタンフォード大学でのスピーチを彷彿とさせませんか?

鈴木師の教えについては、この後の記事でも紹介します。

Pocket

 - アップル