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あるクライアントとの金額交渉

   

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あるクライアントに、かなりクセの強い人がいました。代理店の営業に、プレッシャーをかけては替えさせてしまうのです。

プレッシャーは、納期だったり、予算だったりしましたが、絶え間なく質問を浴びせかけてうんざりさせてしまうんです。

僕の先輩が担当していたんですが、体育会系のその先輩は、律儀に対応しすぎておかしくなってしまいました。僕は会社から再び「お前がやれ」と言われました。僕は、イヤだなあ、と思いながら(まあなんとかなるだろう)と思ってその人との仕事につきました。

あるイベントの案件で、僕は見積書をまとめて提出しました。お金に細かいことはわかっていたので、諸雑費の中の出演者飲料代の明細まで出しました。

さっそく電話がかかってきました。

「この見積は一体なんですか?」完全に怒っています。

「とおっしゃいますと?」と僕。

「諸雑費のところですよ」不機嫌そうな口調です。

「はい、諸雑費の?」

「出演者飲料代が単価120円になっていますよね?」

「はい。本数はあくまで仮のものなんで、実施後にきちんと出し直します」

「御社はどういうつもりなんですか?」さらに詰めてきます。僕は内心、(ああ、こういうことかあ)と思っていました。

「と、申されますと?」

「今の時代、飲料なんて小売のプライベートブランドで65円くらいで買えるでしょう?御社はなんでそういう当たり前の企業努力ができないんですか!」

PB90s-L

ちなみにこの頃は、プライベートブランドの出始めの頃で、今のようにコンビニの冷蔵庫にもPB商品が並んでいる時ではありませんでした。僕は電話を握りながら少しの間考えました。

「ええとですね、プライベートブランドの飲料は、冷蔵庫で冷えた状態のものを一度に数百人分揃えるのが難しいんです。イベントの実施は夏場なので、出演者に常温の飲料を出すわけにはいかないと思います。そうしたら彼らから不満が出ます。そういう事態は避けたいので、ここは通常の商品を購入する設定でやらせてください」

僕はあまり反論めいて聞こえないようにゆっくり話しました。

するとその人は少し沈黙しました。

僕は、(先に箱買いしてクーラーボックスで冷やす手はあるなあ)なんて考えていました。

「なるほど、わかりました。そういうことならこれで結構です」

その人はそう言って納得してくれました。不思議なことにその後、その人は無理難題をほとんど言わなくなりました。時々頭に血が上って、興奮してしまうことがありましたが、その時は案件の目的を思い出してもらって、間違った道に進んでいないことをわかってもらい、落ち着いてもらいました。

この時は、社内からありがたがられましたね。それまで3人くらいの営業がダメになっていたからです。でも、結局は人間同士の相性も大きかったと思います。その後その人が結婚する時、結婚式に招待していただきました。新婦の友だちを紹介すると言われましたが、さすがに遠慮しました(笑)

クセのある人というのはどこにでもいて、営業をしていると必ず当たります。この時の経験でわかったのは、クセのあるお客さんにも対応の仕方はあって、避けたり、逃げたりしない方が関係は良くできる、ということでした(例外はありますけど)

2500万円くらいの見積で、120円か65円の単価について詰められたのは後にも先にもこの時だけでしたね(笑)

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