あなたは何のために本を読むのか。目的が達成できるなら一字一句読むことはない
ポール・R・シーリィ著。フォレスト出版刊。
あなたは速読法に挑戦したことありますか?もし、速読法に興味を持ったことがある人なら、この本は目にしているかもしれませんね。
この本で紹介されているのは、「フォトリーディング」という手法です。仕事をしていると、大量のメールや書類の山に圧倒されることってありますよね?「いったいどこから手をつければいいのか?」という状態。この本が最初に出たときは、いわゆる本が主な対象でしたが、考え方はメールやウェブブラウジングでも同じだと思います。
グーグルは、自らのミッションを、「世界中の情報を整理すること」としています。インターネット上の情報は、毎日爆発的に増加しており、まるで倍々ゲームの様相を呈しています。にもかかわらず、僕たち人間には1日24時間しかないし、脳は一つしかありません。
この本は、その一つしかない脳をどうやって使うか、という話です。
猛烈な勢いで増えていく情報に対して、昔ながらの「一字一句、ていねいに読む」やり方では情報を適切に処理することができない。この本の大半は、フォトリーディングの手法の伝授に当てられていますが、根本にある心構えは、「必要な情報を得るという目的を達成するために、最短距離を取れ」ということです。
フォトリーディングのステップとしては、
ステップ1-準備
・「なぜ、この本を読むのか?」という目的を明確にする
・情報を受け入れやすくするため、リラックスした精神状態になる
ステップ2-プレビュー
・本の基本的な概要を調査する(タイトルやサブタイトル、表紙周りに書かれた説明等々)
・キーワードをリストアップする
・そのままその本を読み続けるか、目的に合わないと判断したら読書を中止する
ステップ3-フォトリーディング
・その本を読む目的を自分に言い聞かせ、自分がそれを達成できることを信じさせる(アファメーション)
・意識を1点に集中させて、ソフトフォーカスの状態で本を見る
・呼吸を一定に保ちながら、ページをめくっていく
・全てのページをめくり終えたら、読んだ情報が自分に取り込まれたことを信じる
・そのうえで、自分が知りたいポイントをリストアップする
ステップ4-アクティベーション
・リストアップしたポイントを、自分の脳に問いかける
・興味を惹かれるポイントを素早い速度でチェックしていく
・そうしながら知りたいポイントの答えを見つけていく
・自分が得た情報を、マインドマップにまとめる
ステップ5-高速リーディング
本を最初から最後まで一気に読んでいく
というものです。もちろん、もっと詳細は本を読んでくださいね。イメージとしては、文字情報を文字としてじゃなく画像として脳に写し取り、それが定着してから目的のための重要な要素を検索していく感じでしょう。「人間グーグル」って感じです。
検索で得られた情報を、マインドマップできちんと整理し、最後はおさらいのように高速で流し読みする。この方法で本を読む労力を最小限にするということですね。
「アファメーション」というのは、アスリートのメンタルトレーニングが原点だと思いますが、「自分にはそれができる」と潜在意識に信じさせて、パフォーマンスを最大化することです。最後になりますが、フォトリーディングの技法を3点でまとめるなら、
・本を読む目的をはっきりさせる
・文字情報を画像として捉え、すばやく検索をかける
・マインドマップできれいに情報を整理する
という感じでしょうか。
あとは読書中、「自分は人間グーグルだ」と言い聞かせることです(笑)