One Simple Fact

アップルと自己啓発本とクルマのことなど。

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結局、練習なんだ

      2015/11/05

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ポール・フレール著。二玄社刊。

日本の自動車評論の草分けで、亡くなってしまった小林彰太郎さんという方がいます。「カーグラフィック」という雑誌を創刊し、多くの自動車評論家、自動車ファンから敬愛されていました。このブログで何回か紹介した、「NAVI」も、小林さんが立ち上げた二玄社が創刊した雑誌です。

この本は、その小林彰太郎さんが生涯にわたって友好を深めた、元レーシングドライバーで自動車評論家のポール・フレールさんが書いた本です。「カーグラフィック」にも寄稿し、たびたび登場して、「PF先生」と親しまれていました。

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左が小林彰太郎さん、右がPF先生です。

まえがきでPF先生は、この本がプロドライバーのためではなく、運転を愛するアマチュアのための本であること、過去の知識と経験の集積が、時間に限りのあるアマチュアに有益であろうということ、そして、スムーズで速く、安全な運転を学ぶことがこの本の目的であると書いています。

正しい運転姿勢から始まり、コーナリングの力学、ドリフトとグリップ走行の物理的法則、レーステクニック、レースにあたって、すべきこととすべきでないこと等々の手ほどきをしてくれます。自動車を愛し、運転を愛する人にとってとてもいい教本だと思います。

僕が紹介したかったのは、この本自体ではなく、PF先生の心構えのことです。1917年生まれのPF先生は、91才で亡くなるのですが、晩年に至るまで精力的に自動車に乗り、レポートを続けていました。あるとき、編集者たちと箱根で日本のスポーツカーを何台も比較試乗した際、食事もとらずスポーツカーを試乗し続け、素晴らしいテクニックを披露したそうです(ちなみに、F1参戦経験もあり、ル・マン24時間耐久レースの優勝者でもあります)

高齢にもかかわらず、タフさと技術に驚嘆した編集者が、PF先生に秘訣を聞きます。それに対してPF先生が答えた言葉がずっと忘れられません。

「プラクティス、プラクティス」

とにかく練習だよ、という意味ですね。新しい何かを学ぶとき、僕はいつもこの言葉を思い出します。

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