あなたの好きなアップルストアはどこですか?
2015/10/21
僕は以前、自動車ショールームの空間デザインや企画運営の仕事をしていたので、ショールームや直営店に入るといろいろと気になります。入りやすさはどうか、とか、清掃状態はどうか、とか、照明は適切か、とか。あるいは、商品は美しく保たれているか、とか、接客はちゃんとしているか、とか。
専門的な話は別にして、ショールームには、顧客とのコミュニケーションの哲学があらわれると思います。顧客を選んで威厳を保ちたいと考える企業のショールームは、やはり敷居が高い空間となっていますし、他社がやっているからとりあえずオープンしてみた、という意識の企業が展開するショールームは、空間も接客も散漫なものです。どことは言いませんが、どこぞの社会インフラ系の企業のショールームなんかはひどいもんです。
さて、アップルストアの話です。製品開発からマーケティングまでコントロールしてきたジョブズが、コンシューマーとのダイレクトな接点を持ちたいと考えてできた空間ですね。ニューヨークの5番街にあるアップルストアは本当に綺麗だし、ジョナサン・アイブが初めてデザインしたブリュッセルのアップルストアも気になります。
僕が好きなのは、最初の画像にも貼った、表参道のアップルストアです。表参道のど真ん中という最高の立地で、デザインもとても美しいです。
内部が外に向かって開放されているガラスの空間。温かみを感じさせるメープルウッドのテーブル。整然と置かれた最新のデバイスたち。気軽に声をかけられるスタッフたち。
昔からのアップルファンも、これからアップル製品を買おうと思っている人、iPadで遊びたい子どもたちや、連れのおじいちゃんやおばあちゃん。とにかく来る人を不安にさせないことが、アップルストアの空間づくりだと思います。