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アップルと自己啓発本とクルマのことなど。

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マイクロソフトは、世の中に必要とされているのか?

   

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今回は、マイクロソフトの話です。言わずと知れたソフトウェア界の巨人。そして、スティーブ・ジョブズと愛憎相憐れむ関係の宿敵=ビル・ゲイツが創業した会社です。

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パソコンのオペレーティングシステムであるMS-DOS、ウインドウズを開発し、1995年にはあのウインドウズ95をリリース。世界を席巻します。この時すでにビル・ゲイツは男性ライフスタイル誌などに登場し、世界の王のような立ち位置で語られていました。当時ビル・ゲイツまだ39才。

ウインドウズがなければ世界中のPCが起動しない。オフィスのアプリケーションがなければ世界中の会社が仕事に取り掛かれない。まさに独占的なポジションを獲得しました。「お金を刷っているようなものだよ」とスティーブ・ジョブズは言います。当時、ウインドウズの利益率は約85%。

ちなみにこの年、スティーブ・ジョブズはアップルを追われたままであり、ピクサーに個人資産を投じ続けていました。

あまりのマイクロソフトの特権的な地位に、アメリカをはじめ各国が反応し始めます。反トラスト法、競争法に違反しているとして、懲罰的な賠償を迫られます。マイクロソフトの持つキャッシュを考えれば、痛くも痒くもないはずですが、振り返れば、この世界中から提訴された状況は、マイクロソフトのメンタリティに、大きな影響を及ぼしました。

テクノロジー界の先頭を走り、フルスピードで走ってきた会社が、初めてつまずきます。世界のためになると思ってやってきたのに、世界が敵になってしまったのです。

ビル・ゲイツは社長をスティーブ・バルマーに譲り、自分は会長職へ退きます。余談ですが、スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツ、スティーブ・バルマーは三人とも同じ1955年生まれです。

訴訟問題は頭が痛いとはいえ、ビジネスは絶好調でした。ただ、ほんの少しずつ歯車が狂い始めます。iPod対抗としてリリースしたZuneは全く売れませんでした。やがてひっそりと生産を中止します。スマートフォン事業では乗り遅れてしまい、今も後遺症に苦しんでいます。

2007年、iPhoneが発表された時、スティーブ・バルマーはメディアに対して、「iPhoneが市場に受け入れられる可能性はゼロだよ」と言って恥ずかしい思いをします。バルマーは、エネルギッシュな個性の持ち主で、ほとんど熱狂的とも言えるプレゼンテーションを行いますが、僕はまともに見てられません。

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https://www.youtube.com/watch?v=I14b-C67EXY

2001年に発表されたウインドウズXPは、今も名OSとして評価されていますが、後継となるウインドウズビスタは、あまりの動作の重さに酷評されます。

音楽事業への参入の失敗、検索事業の伸び悩み、スマートフォン事業では、フィンランドのノキアを7000億円以上の資金を投じて買収しますが、うまくいかず大規模な人員削減を行ないました。ゲーム事業ではXboxを投入しますが、マーケットリーダーのポジションは得られていません。

スティーブ・バルマーは、雑誌のフォーブスで、「とっくの昔にクビになっているべき」社長(CEO)ランキング第一位と痛烈に批判されました。これが2012年のことです。

2年後、やっとバルマーはCEOと取締役から退任します。あんなに栄華を誇ったのに、アップルに時価総額で大差をつけられ、やることなすことが裏目に出てしまいました。僕が信じられなかったのは、バルマーの後任にマイクロソフトがモタモタしたことです。フォードを立て直したムラーリーの名前まで候補に挙がりました。なんで自動車のプロを登用しようと考えるのか。

最終的に、CEOを外部から招くようなことはせず、2014年に、サトヤ・ナデラをCEOに選びます。

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現在は、ナデラによる立て直しの最中です。果たしてマイクロソフトは、かつての輝きを取り戻せるのでしょうか。ともかく今のマイクロソフトは、何のためにある会社なのかよくわかりません。

ビジネスのプロとして世の中を変えるためにあるのか、消費者の暮らしをよりよくするためにある会社なのか?なぜ、マイクロソフトはこの世になくてはならないのか、が希薄になっていると思います。それを強く訴えないと、すべての製品が何かの二番煎じのように思われてしまうでしょう。

もし、スティーブ・ジョブズが今も生きていたら、「ずっとライバルでやってきたのに、何やってるんだ、って感じだよ。悲しいね」なんて言うかもしれません。

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