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世界を変えたデザイナー、ジョナサン・アイブ

   

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あなたが、アップルが好きでいろいろなものに触れてきている人であれば、この人のことを知っているかもしれません。ジョナサン・アイブ。ジョニーと呼ばれる、アップルのチーフデザイナーです。

スティーブ・ウォズニアックがいなければ、アップルがスタートできなかったように、このデザイナーがいなければ、初代iMacから現在に至るアップルの魔法のようなデザインはありませんでした。ジョブズとアイブのペアは、間違いなくデザインで世界を変えた二人です。

ジョブズが復帰するよりも前に、アイブはアップルで働いていました。僕が「すごい、欲しい」と思ったのは、Mac20周年記念モデルの「スパルタカス」でした。これが、アイブによるデザインです。

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1997年時点で、これは前衛的なデザインでした。他のパソコンとデザインがまるで違っていたし、「スパルタカス」って名前もカッコよかったんです。だって、共和政ローマに反乱を起こした剣闘士「スパルタカス」ですよ?

ジョブスが復帰し、Think different.シリーズを展開した後、あとは実際の製品でそれを証明しなければなりませんでした。それができなければ、アップルは倒産してしまいます。そんな中で登場したのが、世界に衝撃を与えた初代iMacです。

パソコンといえば、地味なベージュの四角い箱しかない時代です。例えば、こんな。

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そこに、こんなデザインが突然現れたんです。

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とんでもなく衝撃的でした。ラウンドしたフォルム。半透明の筐体。そして、美しい青。

他にユニークだったのが、取っ手が付いていること。

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これは、持ち運びのためという以上に、「どこか近寄りがたい存在」だったコンピューターに、「気軽に触っていいんですよ」というメッセージだったそうです。

こうして世界にショックを与えたiMacは、爆発的にヒットします。そして、多くは初めてパソコンを買う人でした。ウインドウズのPCに興味を持たなかった人を振り向かせるほどの魅力を持ったマシンでした。アップルは、奇跡の回復軌道に乗り始めます。

広告の面では、多色展開した時のCMが最高です。ローリング・ストーンズの”Colors”をバックに、iMacが踊ります。

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https://www.youtube.com/watch?v=cQFBKQ3kmKg

1998年の初代iMacに続いて、アイブのデザインが衝撃を与えたのは、2001年登場の初代iPodです。

MP3プレイヤーというのはたいていこんな感じのデザインでした。

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そこに、シンプルで静かなこのデザイン。

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全体のフォルムの目新しさと、もう一つiPodの際立った特徴が、その白さでした。本体も美しい白で、イヤホンも白。この当時、イヤホンといえば黒ばかりでした。なので、白いイヤホンはiPodユーザーの記号だったんです。この白いイヤホンが、世界を席巻します。

アメリカの知人が、日本に来た時にiPodを持っていて、それは自慢そうでした。持っていてプライドを持てるものってすごいですよね?

アイブはデザインだけでなく、製造方法にも深く関わることで知られます。エンジニアリングとのコラボレーションですね。その一つのあらわれが、MacBookの「ユニボディ」です。

それまで、複数の樹脂部品で作られていたノートパソコンの筐体を、一つのピースでアルミで作る。より美しく、より強く、より効率良く製造できる製造方法です。アイブが尊敬するデザイン哲学に「バウハウス」がありますが、その名言=”Less is More”を実践した手法です。

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アイブの魅力は、そのデザインだけではありません。WWDCなど、公の舞台にはほとんど登壇しないアイブですが、新製品が出た時に、アップルのウェブサイトのビデオに登場します。そこで新製品を語る彼の言葉は、静かな情熱に満ち、かつ独特の雰囲気を持っています。

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一緒に世界を変えてきたジョブズが亡くなった時、アップル本社で行われた式典で、彼はジョブズとの思い出を語ります。僕は今でも、何度もこのスピーチを聞きます。

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https://www.youtube.com/watch?v=6PcbNAKXm8w

本当に必要なものの声を聞くために、不要なものを削り、あたかも何もデザインされていないかのように見せる天才。

常識を否定し、デザインのために製造方法まで深く追求する昔気質の職人。

世界中の何億人という人の手のひらに、自分のデザインしたプロダクトを載せるインダストリアルデザイナー。

そんな彼の笑顔がいいんですよ。

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