VW、世界一からの転落。
2015/11/05
VWによる、排ガス規制を不正にクリアしたスキャンダルは衝撃的でした。検査の時だけ基準値をクリアするようなエンジンマネージメントを仕込むというのは、一部のエンジニアがやるレベルのことではないです。堅実さや信頼感が身上だったこのブランドにとって、この先数十年消えない汚点だと思います。
もう一方で、このニュースを聞いた時に、「やっぱりなあ」とも思いました。様々な本を読んできて、繰り返し出てくる法則があります。それは、
「成功と隣り合わせの転落」です。
頂点に立ったところで、突然その座を失う、あるいは予想もしなかった不幸な出来事が襲うことがあります。
腹心の部下に、まるで屠殺場の豚のように殺された、ジュリアス・シーザー。
天下統一目前だったのに、部下の明智光秀に殺された織田信長。
ツール・ド・フランスを何度も制し、がんとの闘いで世界中から尊敬されていたのに、ドーピングが発覚して全てを失ったランス・アームストロング。
日本の音楽シーンを席巻しながら、詐欺罪で逮捕された小室哲哉。
トヨタを抜いて、世界一の売り上げ台数を誇ったVW。それがまたたくまに、数兆円ともいわれる賠償金を背負うスキャンダルにまみれる。
まさに頂点からの転落ですね。
どんな法則が働いているのかわかりませんが、多くの本で繰り返し語られていることは、「成功して、慢心していると神様にあっというまに落とされる」という表現です。
上に挙げた例で、それに当てはまるのがいくつあるのかはわかりません。でも、いくつかは、その法則が働いているのかもしれません。「自分は成功した、自分はすごい」という驕り、慢心。それを神様は戒めるのかもしれません。「うまくいったのは、あなたのせいだけじゃないよ」って。
成功も不幸も隣り合わせにある。僕たち人間は、それをコントロールすることはできない。でも、いつでも自分をすごいって勘違いしちゃいけない。自信と謙虚を両方保つことは、一生の勉強かもしれないと、今回の世界を揺るがすスキャンダルを見て思いましたね。