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アップルには、敵が必要だ

      2015/10/24

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アップルは、常に強大な敵に立ち向かう存在という立ち位置をとってきました。1980年代の敵はパーソナル・コンピュータ事業に後から参入してきたIBMです。この時は、領域のパイオニアとして、後発のIBMを歓迎する(迎え撃つ)広告を出稿しています。

IBM

「ようこそIBM。いや、マジで」というヘッドラインが踊っています。ジョブズの反抗精神が感じられて面白いですね。

10年後の1990年代には、今度は敵がマイクロソフトに変わります。1995年にウインドウズ95が登場し、あっという間に市場シェアを獲得していきます。僕は当時、「アップルのUIのパクリだなあ」って思っていました。

windows

かつて共同で仕事をする関係にあったビル・ゲイツとは完全に決裂し、ジョブズは公然とゲイツをバカにし始めます。

いずれにしても、巨人と戦う正義のヒーローというポジショニングは、もともとカウンターカルチャーの中で育ったジョブズにとって、自然なものだったでしょうし、悪を倒して世の中を良くする存在というブランド構築にも絶好だったと思います。後には、PCとMacを擬人化して比較するという広告まで作られました。

PC

PC2

左が堅物で垢抜けないPC、右がフレンドリーで都会的なMacという設定ですね。

日本版では、両者をラーメンズが演じました。この広告、大好きなんですよ。YouTubeで探してみてみてください。

PC3

さらに2000年代の終わりになると、ジョブズはグーグルを批判します。会長だったエリック・シュミットは、かつてアップルの取締役会にいましたし、2007年のiPhoneの発表の場ではステージに呼んで握手していたのですが、アンドロイドのルックアンドフィールがiOSに似ていると強く非難しました。

そしてジョブズが亡くなり、世界最大級の企業となったアップルには、自らを位置づけるための敵がいなくなってしまいました。Android最大シェアだったサムスンは、ハイエンド端末のシェア争いで脱落してしまいましたし、マイクロソフトは大規模なリストラを繰り返しています。

ブランドポジショニングの点からは、アップルには強力なライバルが必要ですが、2015年現在敵らしい敵がいないですね。でも、これまでそうだったように、今後10年間でまたきっと強大な敵が現われると思います。

 

 

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