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iPod:復活の第二段ロケット

      2015/10/13

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2001年10月。同時多発テロがアメリカを襲った直後、iPodはデビューします。半透明なデザインのiMacが大ヒットし、倒産の危機を免れたアップルが次にリリースした戦略製品です。

2015年現在では、売り上げの60%以上をiPhoneが稼ぎ出している状態ですが、歴史的に見れば、アップルにとってiPodの登場こそ転換点だといえます。2007年に登場したiPhoneは、最初は「電話ができるiPod」といわれていましたからね。

MP3プレイヤーは、すでに数社が出していましたが、メモリーのスペックや価格競争下にありました。考え方そのものから変えるやり方は、このiPodでも見られます。いくつか挙げてみたいと思います。

1.本体での操作をミニマムにし、iTunes側で楽曲リストをコントロールする。

それまでのMP3プレイヤーは、本体でさまざまな操作を行う仕組みにしていたため、とても煩雑で、マニュアルなしではなにもできませんでした。iPodはPC側で基本的なセッティングを行なうことで、本体側の操作を最小限にすることに成功しました。

2.革新的なユーザーインターフェース

従来のMP3プレイヤーが、押しづらい小さいボタンで操作するところを、iPodではクリックホイールを採用し、操作自体が気持ちいいUIを実現しました。見た目もクールでしたね。

3.機能を売らずに、使うことで得られる感情を売る。

アップルは、iPodで非常にユニークな広告を展開します。アップル得意の白バック広告をやめ、カラフルな背景に、iPodを聴いている人物のシルエットを配置しました。iPodのアイコンである白いイヤホンとケーブルが印象的で、特に白いケーブルが描くラインが躍動感を表現しています。

ipod2

iPod

iPodで音楽を聴くと、こんなに楽しめるんだ、というユーザーの感情移入を引き出します。普通の企業の広告では、音質がどれだけ優れているか、とか、何時間連続で再生できる、とか、重さが何グラムだとかを語るところを、アップルはiPodで音楽を聴くというのがどんな感情をあなたにもたらすのかを伝えています。

人はスペックでなく感情で物を買う。ここ最近広告業界でもやっと定着した考え方を、すでにアップルとTBWA/シャイアット/デイのチームは表現していたのです。

個人的には、第四世代のiPodナノが大のお気に入りです。薄さと質感がとても好みです。

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